目に見えない世界第3回は・・・硬貨です.1円玉から500円玉まで見たんですが,そこそこ面白かったのが1円玉と10円玉だったのでこの2つを見てみましょう.今回はほとんど観察しただけです笑.高校生にはアルミと銅の精錬がすごく分かりやすくまとまったサイトを発見したのでシェアしたいなと思います.さあ,ミクロな世界を見てみましょう.
目次
1円玉を200倍に
観察
平成の平の字を200倍にしてみました.16年たつとこんなに削れるもんですかね笑.
あと,「平」の右の点の形が良く見ると違いますね.硬貨は金属板を打ち抜く圧穿(あっせん)という工程を経て作られます.打ち抜かれた型によってほんのちょっとはばらつきが出るんでしょうね.
そして表側!よく見ると葉っぱの模様が違いますね.真ん中に線があるもの,端に線があるもの,線がないものがあります.意外と細かいデザインになってるんですね.あと,この模様(若木)が凸なので,周囲が少しきれいになっていますね.
アルミの製法について
そういえばアルミの製法って100年以上変わってなくてホールエル―法なんですが,調べてみるとAppleが二酸化炭素を排出しない製法に投資しているのだとか.本当にできるのであれば,コスト次第ではノーベル賞とれるのでは?
Apple、先進のカーボンフリー アルミニウム精練法の実現に 道を開く - Apple (日本)
ホールエルー法って明らかにノーベル賞ものなんですが,ノーベル賞ができる前に発明されたので受賞できてないんですよね.それくらいすごい製法なので高校生のみなさんはよく勉強してみてください.化学のグルメってサイトがすごく分かりやすかったのでおススメです.
・アルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」について完全解説!〜仕組みから氷晶石を入れる理由まで〜 | 化学のグルメ
10円玉を200倍に
観察
左の図は200倍した写真を集めて連結したものです.これだとギリギリ目に見える程度ですね.
本物と比べてみると結構再現度は高いみたいですね.真ん中の灯篭がないのが一番気になります.階段の段数はぴったし!点の数は明らかに少ない.
左下の石垣的なものは六角形なんですね.ゴミが挟まってたり傷がすごかったり・・・財布の中で金属同士ぶつかり合うから仕方ないですね.
そして右の鳳凰は適当か笑!
もうちょっと力入れてもいいのでは?きっと500円玉のデザインが平等院鳳凰堂だったらもっときれいに作ってもらえたことでしょう.
ごみを拡大してみてみると,たぶん砂粒ですね.10~20 μm(0.01~0.02 mm)位のものが挟まっています.こんな小さなものが挟まっているなんて・・・
青銅の特徴と銅の製法
10円玉は,銅(Cu)とスズ(Sn)の合金です.いわゆる青銅ですね.青銅器時代なんて名前にもなっているくらい良く使われてきた合金です.融点が割と低く,700℃~800℃位です.ライターとかは800℃から1000℃位なので,ライターとかでも溶かせるくらいなので,すごく簡単に加工ができました.銅だけだと柔らかすぎるのですが,スズを混ぜ込むことで硬くなり,武器や農具として使うことができたんです.いまや金属の王様は鉄ですが,その昔は青銅が覇権を取っていたんですね.加工しやすいから今でも硬貨としても用いられていると.銅を精錬し,溶かした後,スズを加えて合金にし,冷やして板状にして圧穿すると10円玉の出来上がりです!
現代の銅の工業的製法を紹介しておきますね.
銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」について完全解説!〜仕組みから陽極泥の詳細まで〜 | 化学のグルメ
という感じで硬貨をみてきました!金属って結晶がいっぱい集まってできているので結晶粒とか見れないかなーと思っていたんですが,見れず・・・
とにかく傷がすごいですね笑
なんかお金がかわいそうになってきたのでこれからはもっと優しく触ろうと思いました.
おわり!