博士のたまごのブログ

横浜国立大学の博士課程に進学することに決めた大学院生の日記

学振の結果!貧乏まっしぐらの博士予備軍

こんにちは.

 久々の投稿になってしまいました.貧乏道まっしぐらの学生です.学振の結果が出ました.

目次

 

学振とは

博士課程進学者ならほとんど必ず応募する「学振」に,僕も例に漏れず応募していました.「学振」とは簡単に言うと博士課程の学生に国が支払う給料みたいなものです.博士課程1年と2年は月額20万円支給されます.採用率は20%ほどでかなり競争率が高いものになります.下のサイトが分かりやすいです.

venture-finance.jp

学振の結果

先日,学振の結果が出ました.画像をご覧ください.

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学振の結果


結果は・・・不採用.しかもC評価.まあ,分かってはいました...学会発表が2回(国内1,国際1)に,国内学会での表彰くらいしか実績がなかったですしね.

ただ,やっぱりそれなりにへこみました.進学した後,生活をどうしようかとか不安が押し寄せてきてかなりメンタルがやられました.

特に同じ大学の博士課程進学予定の友人は奨学金と学振ともに採用され,来年から毎月40万円入ってくるとかいう化け物なので不安が半端ない.

不安だなんだとも言ってられない状況なので,今はいろいろ奨学金を探しています.進学を決めたからには簡単にはあきらめられない.こっから巻き返すんだ.

仲間の大事さ

結果発表された当日,へこんでいた僕を見かねた研究室の後輩が,「うまいもの食いに行きましょう」と言って,ギョウザの萬金につれて行ってくれました.焼き餃子はあまりおいしくなかったけど水餃子とにらギョウザがおいしかったです.

「人生迷子組へようこそ」とかふざけたことも言う後輩もいましたがなんか元気が出たよ笑.絶対に入りたくないなって思った.その後輩は人生迷子になってるらしい.頑張って.

情けない先輩ですが後輩を精一杯かわいがろうと思った日でした.

これから

とにかく奨学金を探します.ダメだったらアルバイトでもなんでもして食いつないでいこうと思ってます.まずは直近の大型奨学金「本庄国際財団」に申し込まないとです.

これもかなり倍率が高いので厳しいですが,とにかくあがいて,あがいて,あがいていく予定です.しつこさには定評がある私です.

www.hisf.or.jp

twitterアカウントロックされた件

こんにちは.Twitterからアクセスしてくれる人が多いのでちょっと書いておきます.

 

いろんな人をフォローしていたらアカウントロックされてしまいました.ロックの解除を試みているのですが,以下の画像の繰り返し(無限ループ)でいっこうに解決しそうにありません.運営に問い合わせているのですが,返信がまだない状態です.

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左の画像のstartをおすと右の画像に行くこれの繰り返し

 

ちなみに,僕のアカウントを見ると以下のようなメッセージが出てきます.

不審な行為ってなんだ!!笑

この表示すごくやめてほしい.

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現状

 

検索してみるとこんな症状が最近よく出ているみたいで,場合によってはアカウントを消さなければいけないそう...

 

とにかく返事をまって,解決したら解決法としてまた記事出します.

フォロワーが結構減ってたのが意外とショック...

 

研究室出禁になりました.ルールをまもること!

研究室に4日間出禁になりました修士2年の博士です.←ややこしい

 

先日,延長していた免許更新の期限が来てしまい,東京は府中の免許センターまで行ってきました.新宿や池袋を通り道にしたので一応ボスに報告すると,「すくなくとも4日間は自宅で経過観察しろ」と休暇をいただきました.ラッキー

 

目次

 

 大学と僕の研究室の状況

こないだ僕の大学(横浜国立大学)の化学系学科で感染者がでたそうで,大学も結構ピリついているみたいです.

大学の授業がオンラインになり,大学もずっと閑散として今までのような春の活気が感じられません.後期授業もオンラインになると決定した大学もあるみたいでうちもどうなるのか...実験や実習はどうなるのかなど様々な懸念があります..

 

大学でも研究に関しては割と緩和されていて,今は軽くアンケートに答えれば入構できるようになっています.それでも稼働率50%にせよと言われ,かなり制限された状況にあります...入構規制が緩和されてからは隔週で研究室メンバーが入れ替わり実験を行っています.全く進捗が出ない!また,簡単な出席管理ツールをプログラミングして自作したり,工夫してクラスターを作らないように研究室単位でのコントロールも行っています.

こうやってかなり努力している中で学部生が大学内に入り,自分勝手な行動で感染拡大,規制再発令などになったらたまったものじゃないです.全員が全員身勝手な行動をするわけじゃないというのも重々承知していますが,一定の割合でとんでもない自己中がいるものです.かくいう僕も東京に行って帰ってきた超迷惑人間ですが...その分誰にも会わず自宅謹慎中です

そういった自己中モンスターをコントロールできない以上おそらくは後期もオンラインでの授業になるのではないでしょうか.

 

ルールを守ろうソーシャルディスタンス

まあ,みんながきちんとルールを守ればいいと思うんですよね.とにかくクラスターを抑え込む,これで感染は緩やかになる.というのが専門家の出した答えなのですから.

何が重要かって,医療崩壊を起こさないことなんですよね.人工呼吸器の数を上回る感染者を出さないまま,ゆるやかにみんなが感染して,重症者を守りつつ集団免疫を獲得していく.結局これだと思うんです.感染することが悪いのではなく,とにかく「クラスターを作らない=爆発的な感染を起こさない」ことが重要なんです.

 

密接ってなんだ 意外と重要

そのクラスターを作る状況がいわゆる三密ですよね.

密閉・密集・密接

密接だけ分かりづらくて,定義は「互いに手が届く距離で会話や発声、運動などをすること」です.菌がつばなどの細かい液滴(目には見えない)にのって運ばれてしまうので密接は非常に重要になります.また,つばなどは喋っていると必ず飛んでいるものなのでマスク以外で防ぎようがありません.

こう考えると喋りながらの食事が一番やばいんじゃね?となります.基本近くで食事するしつば飛ばしまくるし.三密がそろう条件がダメなんですが,三密がそろう条件ってそうそうなくて,ほんと食事くらいなものじゃないですかね.夜の街が悪いと騒がれてますが,夜が悪いのでもホストが悪いのでもなく,喋りながら飲食をする状況が悪いんだと思います.意外とランチの奥様方の感染多いのでは?などと思ったり.完全に憶測ですが.

 

味だけに集中する意識高い系の食事法を提案

喋らずに味だけに集中するレストランとか出てきてもおかしくないというかそういう試みありそうですね笑.食事中は味に集中するという試みを外食でもみんなやってみたら面白いのではないでしょうか.小学生のころ喋らず,テレビもつけず,正座してご飯を食べていた記憶がよみがえります笑

コミュ障にはアリガタイし.

 

まとめ

とにかく大学生はこういったことに気を付けましょう.三密避けてルールを守りましょう.それさえ守れれば好きに外で遊んだらいいです.経済も回してみんなでハッピー.

みんなで危機を乗り越えよう.

 

 

 

思考実験を実験してみた!~ラウールの法則~

今回は化学の法則を使って面白い思考実験をしてみました.熱力学の考え方が身につくいい実験だと個人的には思っています.

 

目次

 

ラウールの法則とは

ラウールの法則は,以下の式で表せる法則で,希薄な溶液について成り立ちます.蒸気圧降下や沸点上昇に関係しています.詳しく知りたい方は分かりやすいサイトを見つけたのでリンクを参照してください!

rikeilabo.com

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全圧は「物質のモル分率」×「その物質の飽和蒸気圧」の和

 

思考実験の状況設定

この法則を用いると面白い思考実験ができます.たとえば,物質Aが水で,物質Bが塩化ナトリウムの時,塩化ナトリウムは揮発しないのでPBは0となります.

以下のように,断熱箱(単に箱と考えていいです)の中にNaCl水溶液と純水があった時,蒸気圧には図のような大小関係がありますよね.このような状況では何が起きるでしょうか.

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思考実験模式図 ラウールの法則より,図のような大小関係が得られる

 

この問題を考えるにあたって~熱力学の考え方~

熱力学では「平衡」という考え方をよく使います.「無限時間たって変化が全くなくなった時の状態」のことを「平衡状態」といいます.熱力学で問題を解くときは必ずこの前提が入っています.化学は熱力学を根底に置いた問題が多く,特に物質の状態を扱うときは必ず前提として「無限時間たって変化がなくなった」ことを仮定します.

 

思考実験で起きる現象

では,この思考実験では何が起きるでしょうか.NaCl水溶液の水面を見てみましょう.

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NaCl水溶液の表面は図のような状態になっている

水蒸気は、純水からの蒸気なので水の飽和蒸気圧となり、PAです.NaCl水溶液の水の蒸気圧は先ほど計算で示した値になっています.これは「平衡状態」でしょうか.答えはノーです.

今,飽和水蒸気圧PAの方が大きいということは,NaCl水溶液に入っていこうとする圧力の方が高いということになります.「平衡状態」になるには,この両者の圧力差がなくならなければいけません.

従って,水蒸気がNaCl水溶液に溶け込んでいきます.水蒸気が溶け込むと式中のnAが大きくなり,係数が1に近づきます.係数が1になるとPA=PAとなり,平衡状態に至ります.

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水の量が多くなると係数は1に近づく

ところが,どんなに薄まろうが,濃度が0になるわけではないので,平衡状態に至った時,どうなっているかというと,下の図のように水がすべてNaCl水溶液に移動した状態になります.設定の時点でビーカーに水が多すぎたので床にこぼれています笑.左のビーカーは満杯だと思ってください.僕の技術不足で満杯の図を描けなかった

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平衡状態の図 左は満杯だと思ってください...満杯になったので箱にこぼれています

 

実際に実験してみた

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左:ビンに食塩           右:箱に保存

写真のようなビンに食塩を溶かして箱に保存するという実験を行いました.

下の写真が1日たった時の写真です.左が純水で右が食塩水です.1日たっても変化がないように見えたのでやり方を変えました.

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びんを箱にいれて1日後 変化なし???
(左のビンが純水,右のビンが食塩水)

 

やり方を変えて下の写真のように,ガラス板に水滴をたらして箱の中で放置しました.

1日放置したところ純水の水滴がなくなりました!NaClの水滴は心なしか大きくなったように感じます笑.

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ガラスに水滴を垂らした実験.青く見える板状のものがガラス.一日後に純水が蒸発してなくなったが,NaClだけは変わらず残っていた

 

まとめ

ラウールの法則(もしかしたらヘスの法則もかも)から考えられる状況を思考実験してみました.さらにそれを実験で確かめてみました.少し強引な実験ですが,まあ予想通りの結果が得られました.

 びんでの実験が失敗したのは,ビンの口が狭かったことと,水の量があまりにも多かったからです.物質量が大きくなると平衡状態に至るまでに時間がものすごくかかります.そのような理由から,理論と実際の実験結果が異なることもあります.化学や熱力学は無限時間後の平衡の過程を置いてることが多いので,必ずしも現象が理論通りにならないというのも覚えておくといいかもしれないです.理論の限界を知る事でその力強さが逆に際立つこともありますので.

 

浅学なもので間違いなどあるかと思います.ぜひコメントでご指摘などお願いいたします.

理系大学院生が解説する「感覚じゃない」国語~第1回~

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国語が常にできるようになるにはどうすればいいんだろう?

こんな疑問持ったことありませんか?この記事は何回かに分けてこの質問に答えを出すことを目的としています.

国語の偏差値が常に70以上で東大入試の国語で8割とったことだけが長所の,しがない大学院生が解説していきます.

ちょっと長いですが大学受験の国語でも役に立ちますし,大学生でもレポートや論文を書くときに役に立つ情報になるのでぜひ見てみてください!

同じ内容を動画にもしているのでそちらの方がいいという方は良かったらどうぞ.まとめにリンクを貼っておきます.

 

 目次

 

国語力とは 

早速ですが,国語力とは何でしょうか?国語力は,背景知識リテラシー分解できると考えています.リテラシーってマナーとか倫理みたいな意味でつかわれることがありますが,英語の正確な意味は,「読み書き」という意味です.なので当然,背景知識・読解力・記述力が必要ということになります. 

背景知識について

文章は省略で成り立っている

背景知識が必要なのは,文章が省略で成り立ってるからです.書き手になるとすごくわかるんですが,すべてを説明するって無理なんです.主張をするときに,ある程度常識と考えられることは省くんですね.この時省かれる情報のことを背景知識といいます.

例えば「この人は21世紀のアインシュタインです」って書いたときに,アイシュタインを知らない人は???となりますが,知ってる人は大天才って意味ね!と,イメージとともに理解できるんです.この時わざわざアインシュタインは~などと説明はしません.省略することによって伝えたい主張にのみ集中してもらうことができるんですよね.

 

省略量で文章の難易度が変わる

じゃあ,どこまでを前提知識とするかという判断は,書き手がどんな読者層を想定しているか次第です.その想定読者が持つ専門知識の量で省略量は決まります.

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筆者が想定する「読者の知識量」で文章の難易度がかわる

難しい文章の多くは,読者の想定が厳しく,省略が多いものになります.ただ,この辺の知識は国語の文章をたくさん読んだり,歴史・地理など,他の科目を学ぶことで身につくこともあるので,がんばって勉強をしていたらおのずと身につくものだと思います.なので,ここに注力するよりかはリテラシーをきちんと身に着けることをお勧めします.

とにかく背景知識も必要だということは気にしておいてください.

 

リテラシー(Literacy)について

リテラシーは語彙力・文法力・文脈力

リテラシーは語彙力・文法力・文脈力からなっていて,文脈力は,文脈を理解する力と,文脈を作る力の2つに分けられます.(下図参照)

語彙力・文法力・文脈を理解する力が読解力で,語彙力・文法力・構成を作る力が記述力です.この分け方は文章の部品をよく見てみると分かります.

 

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リテラシーは,語彙力,文法力,文脈力で構成される

文章の分解からみた読解力と記述力

文章は,段落が集まってできてますよね.それらの段落って独立しているわけじゃなくて,順番やつながりが必ずあります.これをストーリーといいます.段落は,文と,文のつながり(接続詞など)からできています.さらに分解すると,文は,単語と単語のつながり(てにおは助詞とか語尾)からなります.

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文章を分解!要素は「単語」「単語のつながり」「文のつながり」「ストーリー」になる

結局,「単語」「単語のつながり」「文のつながり」「ストーリー」が分かっていれば文章は理解できて,これらを語彙力,文法力,文脈力と呼びます.

読む場合と書く場合では文脈・ストーリーを理解すると文脈・ストーリーをつくるという違いがあります.

 

「ストーリーを理解する」ことの重要性

意外と見落とされがちだけど大切なのは,この全体の流れ,文脈・ストーリーなんです.文章には必ず1つの伝えたい主張があって,それを支持する段落構成になっています.段落を貫き通す1本の論理がストーリーであり,主張に直結します.1本の論理があるということに気づくことが,国語ができるようになる第一歩です

ちなみに小論文を除いて一般受験で大学を受ける場合は読解力を身に着けるだけで十分です.記述問題であっても,結局「なぜか?」とか「どういうことか?」などストーリーを理解していれば答えられるものばかりなので,受験生はストーリーを理解する訓練を十分にしていれば心配いりません.書く訓練はしてね.

 

ストーリーを理解するために注目すべき2つの要素

全体の流れをどうつかむのか.この方法は2つあります.1つ目は,段落の仕組みを知ること.2つ目は,ディスコースマーカーに注目することです.

段落の仕組みを知る

1つ目について,段落の仕組みってどうなっているかというと,1文目にトピックセンテンス,これはこの段落で言いたいことのまとめで,これが来ます.2文目以降に来るのは,そのトピックセンテンスを支持する理由や具体例が来ます.

こうなっている理由は,結論やまとめが先に来ていると文章が理解しやすくなるからなんです.マジックナンバー7(マジックナンバー3ともいう)という言葉があって,有名な研究なんですが,人間は物事を羅列されたとき覚えていられるのは7つまでで,それ以降は最初に言われたものから忘れていくんです.実はこれを覚えやすくする方法があって,グルーピングするっていう方法なんですね.

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グルーピングで覚えやすくなりませんか?


画像の左側を見てもらうと,これだと羅列されているだけで覚えずらいですよね.これを右側のようにグルーピングすることで段違いに覚えやすくなります.

文章では,理由から始めると,結論が出るまでそれらの理由を覚えていなければならないので,うまく伝わらないことが多いんです.トピックセンテンスでグルーピングすることで,先に結論がきているだけで覚えておく負担が減るので理解が段違いになるんです.

トピックセンテンスを集めると,筆者の言いたいこと結論の大まかなまとめが出来上がります.実は,単純に全体の流れを知りたいだけだったら段落の一文目だけを読めば何となく理解できちゃいます.新聞のななめ読み?とかは多分これですね.

ディスコースマーカーに注意する

2つ目は,ディスコースマーカーです.「つまり」「なぜなら」「しかし」とかですね.ここでは筆者を想像してほしいんですが,つまりを使っているとき,筆者は重要で絶対理解してほしいけど分かりづらいよなってところを言い換えてくれているので,この重要だぞというメッセージを見逃す手はありません.なぜならは後ろに理由がくる,しかしは主張などに反対する内容が来ます.これは,譲歩だったり,比較をすることで,自分の主張に説得力を持たせるために使っています.

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筆者の考えることを想像しよう.つまりを使うときは筆者はこんなことを考えている.

筆者は読者を想像しています.引っかかるところでかつ重要な部分には必ず説明を入れます.2回説明することもあります.キーワードとして何回も登場させることもあります.そういった嗅覚を養いましょう.嗅覚を養うには読者も筆者を想像しましょう.

 

トピックセンテンス実例

ここで少しトピックセンテンスの力を実感してもらいましょう.

以下は2020年のセンター試験本試からの引用です.

この引用でいう「レジリエンス」とは,近年様々な領域で言及されるようになった注目すべき概念である.この言葉は,「かく乱を吸収し,基本的な機能と構造を保持し続けるシステムの能力」を意味する.

 レジリエンスの概念をもう少し詳しく説明しよう.レジリエンスは,もともとは物性科学のなかで物質が元の形状に戻る「弾性」のことを意味する.六〇年代になると生態学自然保護運動の文脈で用いられるようになった.そこでは,生態系が変動と変化に対して自己を維持する過程という意味で使われた.しかし,ここでいう「自己の犠牲」とは単なる物理的な弾力のことではなく,環境の変化に対して動的に応じていく適応力のことである.

 レジリエンスは,回復力(復元力),あるいはサステナビリティと類似の意味合いを持つが,そこにある微妙な意味の違いに注目しなければならない.例えば,回復とはあるベースラインや基準に戻ることを意味するが,レジリエンスでは,必ずしも固定的な原型が想定されていない.絶えず変化する環境に合わせて流動的に自らの姿を変更しつつ,それでも目的を達成するのがレジリエンスである.レジリエンスは,均衡状態に到達するための性質ではなく,発展成長する動的過程を促進するための性質である.

 

トピックセンテンスを抜き出すと

この引用でいう「レジリエンス」とは,近年様々な領域で言及されるようになった注目すべき概念である.レジリエンスは,もともとは物性科学のなかで物質が元の形状に戻る「弾性」のことを意味する.レジリエンスは,回復力(復元力),あるいはサステナビリティと類似の意味合いを持つが,そこにある微妙な意味の違いに注目しなければならない.

よく意味が解りますね!

 

まとめ

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まとめ!

国語力は背景知識と文章力からなります.読むことはストーリーを理解すること(受験はこっちだけでおけー)書くことはストーリーをつくることです.

ストーリーの理解には,段落の仕組みを知ること,ディスコースマーカーに着目(筆者を想像する)ことが重要です.

国語は運だからなーという言い訳からは卒業して常にできるようにしていきましょう!国語が苦手な人にも得意な人にも少しでも役に立ったらうれしいです.

 

動画版はこちら

www.youtube.com

 

なぜ運動方程式はF=maではなくma=Fなのか ~見えないものに立ち向かう姿勢~

高校2年生の時,友達のK君が言いました.

「F=maってma=Fじゃないといけないらしい」

物理学を習いたてだった僕は,「同じじゃん,どうでもいい」としか思いませんでした.なんならその友達にもそう言ったかもしれません.K君ごめん.

同じじゃんと思いつつもなぜなんだろうという心の引っかかりはずっとあって,理由が分かったのが大学に入ってからでした.

実はこの順番には,物理学あるいは自然科学の,現象に対する姿勢が表れています.

自然科学とはなんなのか.どこまで信用できる学問なのか.

最近,「ウィーアー フラットアーサー!」でおなじみの地球平坦論者が増えているらしいというのもあり,自然科学の姿勢をお話しして少しでも科学に対する疑念が晴れたらいなと思い,この記事を書くことにしました.

 

目次

 

なぜma=Fなのか

結論から言うと,この式は数学的なイコールの式ではなく,物理的な意味が入りこんでいるからです.「物理的な意味」とは,ずばり因果関係です.ma=Fでは,左辺が結果,右辺が原因という順番になっています.すなわち,ma=Fという式は,「Fという力が原因となってmaという結果が生じる」という意味を持っているんです.

なぜ左辺が原因ではないのか?感覚的に言えば左辺が原因の方がしっくりきますよね.僕もそう思いました.しかし,そこには物理的に豊かな意味があったんです.

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ma=Fは因果関係を表し,イコールの意味とは違う


 

自然科学の成り立ち

法則の発見から原理を追う

自然科学は物理学,化学,天文学,生物学など,現象の法則性を調べるような学問のことです.

身の回りを見てみるといろんな現象があります.夜空を見上げれば星があります.ボールを投げれば必ず下に落ちてきます.金属に触れるとバチっと音がなることがあります.

人間は何度もこう言った現象を感じると法則性に気づきます.

星は決まった形で現れ,季節で変わる.よく見ると一つだけ動かない星がある.ボールの落ちる位置は力の入れ具合でコントロールできる.冬場乾燥しているときにはバチっとなりやすい.などなど.

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人は経験から法則性を感じ取り,その理由を探す

なぜこのような法則性があるのだろう?これを探り,元の原因(原理・原則)を見つけるのが自然科学です.

自然科学は,「経験したこと」がベースになっており,突然偉い人がひらめきで原理原則を主張し始めたという怪しいものではないのです.

「そう考えざるをえない」慎重で謙虚な推測

自然科学は「経験科学」とも呼ばれ,「経験した,あるいは観測した事実だけ」から,その根底にひそむ原理・原則・原因を「推測」します.原理さえわかれば他の現象にもその原理をあてはめてみます.それがうまくいけば推測は正しかったんだね.となります.

 

誤解を恐れずに言えば,あくまで推測なんです.

 

しかし,その検証はかなり慎重に行っています.ほかの現象を説明できない場合,その推測はばっさりと捨てられるか修正されます.あくまで経験事実と合うことが大切なのです.あらゆる角度から検証して,正しいと考えざるをえないという原理の積み重ねが自然科学なのです.実はものすごく慎重で謙虚な学問なんですよ!

 

 見えないものに立ち向かう姿勢

 観測事実(経験)を第一に

目に見えないものって分からないし恐ろしいんです.そんな時に大切になるのが,「何が観測できるのか?」です.ma=Fで観測・測定ができるのは質量mと加速度aですよね.Fって目に見えないし正体は分からないんです.我々は結果を観察して,原因を探ることしかできないんです.力が働いた結果モノが動くと考え,その結果である加速度を測るのです.「経験的に」ものが重くなると動きづらくなるのを知っているので質量をかけるんです.だから観測結果としてmaが先に来るんですね.

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観測可能なものから観測不可能なものを予測する.

 

 「臆病な科学」見えないものは推測で対応

maを測定すると,そこから目に見えないお化け「F」が推定されるわけです.Fの関数の形が分かってくると力の正体も見えてきます.臆病な科学は,わからないものを事実から推測して分かるものへと変えていくのです.

例えば,重力を考えると,Fは距離の2乗に反比例します.ここから推定できるのは,重力は等方的(球体的)に伝わる力だということです.

電気力線のようなものを考えると距離が延びるにしたがって力線の密度は球の表面積面積4πr2に反比例しますよね.この等方的な引力が球体状に働くので地球は丸くなると推測できます.実際に宇宙からの写真見ると丸いですよね.ほら,怖くなくなった.

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(a)3次元        (b)2次元 
二次元で見る中心から遠ざかるほど線の密度は小さくなっていますね.同じことが3次元でも言えて,3次元の場合,線密度は表面積に反比例します.地球は丸いんですよ.

 

最後に

さて,ma=Fの順番を皮切りに自然科学の姿勢をお話しさせていただきました.自然科学の専門家ではないのですが,書き始めたら熱が入ってしまった...

大学に入って科学の極めて謙虚な姿勢に気づいたとき,ものすごく感動したのを覚えています.この感動が少しでも伝わっていたら最高です.

 

目に見えない世界~第3回~

目に見えない世界第3回は・・・硬貨です.1円玉から500円玉まで見たんですが,そこそこ面白かったのが1円玉と10円玉だったのでこの2つを見てみましょう.今回はほとんど観察しただけです笑.高校生にはアルミと銅の精錬がすごく分かりやすくまとまったサイトを発見したのでシェアしたいなと思います.さあ,ミクロな世界を見てみましょう.

 

目次

 1円玉を200倍に

観察

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左:平成3年 右:平成19年

平成の平の字を200倍にしてみました.16年たつとこんなに削れるもんですかね笑.

あと,「平」の右の点の形が良く見ると違いますね.硬貨は金属板を打ち抜く圧穿(あっせん)という工程を経て作られます.打ち抜かれた型によってほんのちょっとはばらつきが出るんでしょうね.

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1円玉の表

そして表側!よく見ると葉っぱの模様が違いますね.真ん中に線があるもの,端に線があるもの,線がないものがあります.意外と細かいデザインになってるんですね.あと,この模様(若木)が凸なので,周囲が少しきれいになっていますね.

 

アルミの製法について

そういえばアルミの製法って100年以上変わってなくてホールエル―法なんですが,調べてみるとApple二酸化炭素を排出しない製法に投資しているのだとか.本当にできるのであれば,コスト次第ではノーベル賞とれるのでは?

 

Apple、先進のカーボンフリー アルミニウム精練法の実現に 道を開く - Apple (日本)

 

ホールエルー法って明らかにノーベル賞ものなんですが,ノーベル賞ができる前に発明されたので受賞できてないんですよね.それくらいすごい製法なので高校生のみなさんはよく勉強してみてください.化学のグルメってサイトがすごく分かりやすかったのでおススメです.

・アルミニウムの工業的製法「ボーキサイトの精錬・融解塩電解」について完全解説!〜仕組みから氷晶石を入れる理由まで〜 | 化学のグルメ

 

10円玉を200倍に

観察

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左:10円玉 右:平等院鳳凰堂

左の図は200倍した写真を集めて連結したものです.これだとギリギリ目に見える程度ですね.

本物と比べてみると結構再現度は高いみたいですね.真ん中の灯篭がないのが一番気になります.階段の段数はぴったし!点の数は明らかに少ない.

 

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左:鳳凰堂の左下 右:鳳凰堂の屋根の上の鳳凰

左下の石垣的なものは六角形なんですね.ゴミが挟まってたり傷がすごかったり・・・財布の中で金属同士ぶつかり合うから仕方ないですね.

そして右の鳳凰は適当か笑!

もうちょっと力入れてもいいのでは?きっと500円玉のデザインが平等院鳳凰堂だったらもっときれいに作ってもらえたことでしょう.

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ごみを拡大

ごみを拡大してみてみると,たぶん砂粒ですね.10~20 μm(0.01~0.02 mm)位のものが挟まっています.こんな小さなものが挟まっているなんて・・・

 

 青銅の特徴と銅の製法

10円玉は,銅(Cu)とスズ(Sn)の合金です.いわゆる青銅ですね.青銅器時代なんて名前にもなっているくらい良く使われてきた合金です.融点が割と低く,700℃~800℃位です.ライターとかは800℃から1000℃位なので,ライターとかでも溶かせるくらいなので,すごく簡単に加工ができました.銅だけだと柔らかすぎるのですが,スズを混ぜ込むことで硬くなり,武器や農具として使うことができたんです.いまや金属の王様は鉄ですが,その昔は青銅が覇権を取っていたんですね.加工しやすいから今でも硬貨としても用いられていると.銅を精錬し,溶かした後,スズを加えて合金にし,冷やして板状にして圧穿すると10円玉の出来上がりです!

現代の銅の工業的製法を紹介しておきますね.

銅の工業的製法「粗銅の精製・電解精錬」について完全解説!〜仕組みから陽極泥の詳細まで〜 | 化学のグルメ

 

という感じで硬貨をみてきました!金属って結晶がいっぱい集まってできているので結晶粒とか見れないかなーと思っていたんですが,見れず・・・

とにかく傷がすごいですね笑

なんかお金がかわいそうになってきたのでこれからはもっと優しく触ろうと思いました.

 

おわり!